ソフトバンク千賀滉大投手(23)が15日、来季目標に初タイトルの獲得を挙げた。「来年はタイトルを取りたい。それくらい活躍したい。僕が取って和田さんにおごってもらいます」。

 6年目の今季は初めて年間ローテを守り、12勝3敗の好成績を残した。だが13勝以上のタイトル規定に1勝届かず、最高勝率を和田に譲った。タイトル料を手にした和田から「悪いな」と言われ、裏方も含め、バッテリー陣全員で焼き肉をごちそうしてもらった。だが来季は和田以上の成績で、先輩からお祝いディナーをゲットする意気込みだ。

 この日は、佐賀・みやき町立三根東小でJFAこころのプロジェクト「夢教室」に参加して先生デビュー。6年生25人の前で、無名選手から育成契約を経て、1軍で活躍している経験を披露。「失敗しても自分で考えてみることが大切」と、夢に向かって、自分で壁を乗り越えていくことの大切さを伝えた。

 反省も生かす。今季はリーグで3番目に多い16本塁打を被弾。13勝にあと1勝に迫ってから3試合足踏みし、タイトルを逃した。それだけに「3敗しかしていないけど、数字はまだ物足りない。捨ててしまった試合を減らしていけばもっと勝てる」と、貪欲だ。

 自身の課題は「来年も1年間ローテを守れるかどうか」。さらに「しっかり投げるべきところで投げて本塁打を防ぎたい。もっとレベルを上げて1年間ケガせず投げたい」と気合を入れた。子供たちの前で「プロ野球選手として長く活躍したい」と夢を語った若き右腕。来季はシーズン終盤もバテることなくフル稼働し、有言実行の初タイトルを奪いに行く。【福岡吉央】

 ◆千賀の今季 開幕から1年間先発ローテを守り、25試合に登板。12勝3敗、防御率2・61、勝率8割の好成績を残した。9月3日楽天戦で12勝目を挙げ、最高勝率も期待された。だがタイトル規定の13勝以上にリーチをかけてから、3試合白星なく、チャンスを逃した。中でも悔やまれるのは、今季最終登板の同27日のロッテ戦だろう。8回まで2-0とリードしながら、2者連続押し出し四球を与え、同点で無念の降板。その結果、15勝5敗で勝率7割5分の同僚和田が、最多勝とともに最高勝率のタイトルも獲得した。