日本ハムから巨人へのFA移籍が決まった陽岱鋼外野手(29)が使命を全うする。16日までに台北市内で決意を口にした。外国出身選手が日本でFA権を得て巨人入りするのは初めて。「まさか自分が巨人に入るとは思っていなかった。自分が初めてという使命感はある。レギュラーをもう1回取る気持ちでやらないと。優勝という使命もある」と台湾出身選手としての誇りを示した。

 悩んだ末の決断だった。オリックス、楽天が獲得に動き「ずっと悩んでいた。どこが取ってくれるのかと不安もすごくあった」と、葛藤した。最終的には巨人の熱心な誘いに心動かされた。「最後の最後に自分が行きたい球団を決めた」とすっきりした表情だった。

 3季ぶりのリーグ優勝を目指す巨人からはラストピースとして迎えられる。今季不在だった正中堅手として期待され、1、3番など上位を打てる打力は坂本、長野ら好打者を幅広く違う打順に据えられる波及効果もある。一方で5年約15億円(推定)という大型契約に見合う活躍も求められる。「勝たないといけないし、活躍しないといけない。きついプレッシャーを何とか自分の力に変えたい。本当に楽しくやっていきたい」。名門球団特有の重圧を活力へと変換させる。

 野球を通して日々、己を見つめている。「野球って不思議。毎日違うことが起こる。毎日勉強できる。人に左右されないこと、自分が自分であることが大切。新しいチームで新しいことが発見できると思う」。巨人という新たな旅路で、陽が羽ばたく。