日本ハム斎藤佑樹投手(28)が、再起を懸けた背番号変更を行うことが19日、分かった。入団時からのエースナンバー「18」から、「1」に変わることが、近日中にも発表される。6年目の今季は、登板11試合で13年以来3年ぶり未勝利に終わった。現状打破の手段の1つとして、球団側からのプランを受ける形となった。「1」は06年夏の甲子園制覇した早実時代、早大では08年に自身最高の7勝を挙げた時に身につけていた輝かしい時代を象徴する番号。復活への足がかりにする。

 再起への、きっかけにする。斎藤が来季から「1」を背負う。11年の入団時からエースナンバー「18」だったがアマチュア時代の輝きを発揮出来ず、苦しいシーズンを過ごしてきた。今季まで「1」をつけていた陽岱鋼の巨人へのFA移籍が決定。球団側から期待の表れとして、背番号変更プランを提案され、受託することになった。

 華々しい野球人生の一幕に、ヒントを得る。早実では2年の夏から「1」を身につけ、秋には副主将に就任。3年夏の甲子園決勝では、駒大苫小牧・田中(現ヤンキース)と球史に残る熱投で、再試合を制して優勝した。早大では2年春に「16」から「1」に変更。自身最高のリーグ7勝を挙げ、最多勝で2季ぶり優勝へけん引した。輝かしいアマチュア時代を象徴してきた「1」を再び身にまとい、栄光を思い出す。

 勝負の7年目へ、現状打破が必要だ。プロ入り後は右肩関節唇損傷の故障に苦しみ、13年は登板1試合。シーズンを棒に振ると、苦難の道が敷かれていた。通算68試合登板で14勝20敗、プロ6年目の今季は11試合に登板し未勝利に終わった。栗山監督のもと、中継ぎ転向や先発再転向に挑戦も、本領発揮とはならなかった。年俸は3年目の3500万円(金額は推定)から4年連続ダウンの2000万円まで下がった。厳しい現状を痛感し続けてきた。

 心機一転、来季に懸ける思いの表れでもある。昨オフの自主トレは、プロ入り初の米ハワイで敢行したが、今季は原点回帰し、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷を拠点にしながらトレーニングに励む予定だ。試行錯誤を繰り返してきたが、新たな挑戦となる来季。斎藤が「1」からスタートを切る。

 ◆背番号1の投手 代表的なのは近鉄で永久欠番になった鈴木啓示。「草魂」を座右の銘に通算317勝をマークした。他には大久保美智男(広島)近藤真一(中日)野田浩司、中込伸、谷中真二(以上阪神)愛甲猛(ロッテ=投手から内野手に転向)加藤伸一(オリックス)大嶺祐太(ロッテ)ら。今季はDeNA熊原と楽天松井裕が使用。日本ハムではチーム名が東急だった49年の米川泰夫以来、68年ぶりとなる。