最下位に沈んだオリックスの中で希望の光は、ドラフト1位の吉田正だった。春先に腰痛で離脱し、8月12日の西武戦で4カ月ぶりに1軍復帰。そこから42試合で10本塁打を量産した。単純比較はできないが、復帰後はシーズン143試合に換算すると34本塁打のハイペースだった。主に3番、最終戦は初めて4番も務めた。「けがに始まったシーズンだったけど、後半に出て少しはインパクトを残せた。来年につながる部分もあった」と振り返った。

 その後は台湾ウインターリーグに派遣された。ウエスタン・リーグ選抜の一員として最優秀打者に輝いた。打率(5割5分6厘)本塁打(6)打点(29)の主要3部門でトップ。優勝したチームの中で、異次元の活躍だった。課題は守備、走塁と心得ており、意識は高い。「今まで打撃よりは重要さが落ちていた。そこを見直すことができた。同じように力を入れていきたい。まだ伸びしろがあると思う」。福良監督も「普通に1年間やれば成績を残す」と言い切る逸材。故障せずに成長を続ければ、日本を代表する打者になる可能性を秘めている。【オリックス担当=大池和幸】