若虎がさらなる飛躍で優勝を導く! 金本阪神1年目は「超変革」のスローガンのもと、若虎が大活躍した。今季は新人王の高山俊外野手(23)を筆頭に、原口、北條、岩貞らに一層の大暴れが期待される。もちろん、みんな気合十分だ。高山の新年の誓いは2年目ジンクス打破で3割超え。

 高山は無心で2年目のジンクスを打破する。「そういうジンクスみたいなものは、今まで考えたことがないですね」。阪神野手では01年赤星以来、15年ぶりの新人王を獲得したゴールデンルーキーは2年目も不動心。4月に24歳になるとり年の年男が、17年はもっと羽ばたく意気込みだ。

 昨季は134試合出場で左翼をほぼ確保し、打率2割7分5厘、8本塁打、65打点をマーク。今季はさらなる活躍が期待される。だがプロには2年目のジンクスという言葉もある。実際、他球団に研究される2年目は、1年目のように力を発揮できない選手も多くいた。高山もよりマークが厳しくなることが予想される。だが、泰然自若だった。

 「良かった時の験(げん)を担いだこともないですね。その時次第じゃないですかね。準備は大切だとは思いますけど、その時にできることをやることが一番だと思います」

 時には運にも左右される勝負事。球界でも縁起を気にする選手は多いが、高山は野球を始めた小学時代から現在まで、験を担いだことがないという。良い時も悪い時も持ち越さない。好きな言葉の「一生懸命」に補足すれば、信念は「常に一生懸命」だ。その日、その一瞬の感覚を研ぎ澄まし、大事にしてきたことが成功の秘訣(ひけつ)だ。

 「そういう意味で、昨年(1年目)の初めも(良い)スタートできたかなとは思います」

 昨季は開幕1番でスタメン出場。プロ初打席初安打を放ち、新人王街道を走った。今季目標の打率3割超えも、自然体の好スタートで切り開く。2年目のジンクスは、この若虎に存在しないはずだ。【梶本長之】