年男和田が今年は最年長沢村賞だ! 5季ぶりに日本球界に復帰した昨年、最多勝、勝率1位の2冠を達成したソフトバンク和田毅投手(35)が、日刊スポーツの新春インタビューで今季にかける思いを語った。目指すはリーグ最年長記録を更新する2年連続最多勝。そして、その先には沢村賞の夢も広がる。2017年もベテラン左腕は安定した投球でチームを引っ張り、V奪回を狙う。

 酉(とり)年生まれで年男の和田がプロ15年目の今季、さらなる高みを目指す。昨年は15勝を挙げ、パ・リーグ最年長タイとなる最多勝を獲得したが、満足感ばかりではない。

 「昨年の15勝は結果としては良かったが、決して満足いく数字ではなかった。もっと勝てたし、防御率、完投数、すべてにおいてもっとできたんじゃないかという思いがある。今年は昨年のすべての数字を上回ることが目標ですね」

 10年に自己最多の17勝を挙げたが、これを上回る勝ち星を狙う。「防御率を良くして、その中でチームに勝ちをつけることができれば勝ち星はついてくるし、2年連続最多勝も見えてくる」。そしてその先にあるのは、投手誰もが憧れる沢村賞だ。

 昨年は選考基準7項目のうち、勝ち星、勝率、奪三振の3項目をクリア。「もっと完投数が多く、防御率も良ければチャンスはあった。試合数もあともう1試合だった。決して狙えない賞ではないと思っているし、投手は常にそこを目指してチームに貢献するのが大事」と、貪欲だ。

 巨人別所毅彦、中日小川健太郎、広島大野豊の3人が受賞した33歳シーズンがプロ野球最年長記録だが、リーグ最多勝とともに、沢村賞での最年長記録更新も夢ではない。昨年は9月下旬以降、左肘痛で戦列を離れ、登板できないままV逸を迎え、涙をのんだだけに、今季こそ1年間フルで投げ抜きたい思いも強い。

 もちろん、6年ぶり4度目の開幕投手も狙う。「若い4人、武田、千賀、東浜、岩崎が先頭に立ってやっていかないといけない。『絶対に俺がやるんだ』という気持ちを見せてほしい。でも、彼らがもたもたしていたら自分が狙っていきたい」。2月に36歳となるベテランの何とも頼もしい言葉。「(24歳から)12年たって老けたなと思いますね」と苦笑いを浮かべるが、打者が球速以上に感じる手元で伸びる直球は健在だ。

 「いつかは変わらないといけない時期は来るし、少しずつ変えているが、今、投げられる直球をさらに長く投げていけるように考えてやっていきたい」。まだまだ衰え知らずの年男和田。今年もチームの期待を背負い、勝ち星を積み上げていく。【取材・構成=福岡吉央】

<和田に聞いた10の質問>

 Q1 生まれ変わったら

 和田 やっぱりもう1度野球選手で投手に。

 Q2 父の姿を見て10歳の娘は何と言ってくれる

 和田 勝っている時は「今日腕振れていたね」、悪い時は「腕に力入ってなかったね」って。一番のコーチです。

 Q3 野球以外に得意なのは

 和田 バスケットボール。

 Q4 シーズン中、移動中は何してる

 和田 携帯電話のアプリで米国のラジオをかけて洋楽を聞くのが好きですね。

 Q5 シーズン中は封印していることは

 和田 特にないですね。

 Q6 和田弁当のおかずでおすすめは

 和田 みそカツ。愛知県出身で小5まで住んでいたので、よく食べてました。

 Q7 チームで一番仲がいいのは誰

 和田 チョメ(森福)だったんですけどね…。千賀、武田、飯田ら後輩たちも慕ってくれる。

 Q8 チームで一番なれなれしい後輩は

 和田 チョメでした。

 Q9 チームメートに面食らったことは

 和田 それもチョメ。遅刻の回数の多さですね。

 Q10 絶対に頭が上がらない人は

 和田 先輩には全員頭上がりません。(苦笑い)