阪神ドラフト7位の東北福祉大・長坂拳弥捕手(22)が、強肩で広島を“機動破壊”する意気込みを明かした。3日、群馬・高崎市内の母校、高崎健康福祉大高崎野球部グラウンドで自主トレを公開。「盗塁を刺すのが魅力。特に広島の選手が盗塁をしていたのでそこでアピールしたい」と打倒広島への意欲を明かした。

 高校で学んだ「機動破壊」を守備でみせるつもりだ。機動破壊は、足でかき回して相手守備を崩す健大高崎が掲げるチームスローガン。最近では14年夏の甲子園で1試合11盗塁をマーク。全国に足攻めの有効性を印象付けた。長坂自身、脚力に自信があるわけではないが、俊足自慢たちと練習を共にしたことで、捕手として走者を刺す技術力が格段に向上したという。二塁送球は一流捕手の基準とされる1・8秒台。高校、大学の通算盗塁阻止率が5割を超える強肩で、広島の機動力を封じ、得点力を低下させる考えだ。

 チームは今季、広島に30盗塁も許し、7勝18敗と大きく負け越す要因となった。特に長坂が意識するのは鈴木だ。「同い年の鈴木選手と勝負したい」と、今季16盗塁を記録した同世代のスターに挑戦状をたたきつけた。広島戦は最短で3月5日、甲子園でのオープン戦が予定されている。試合に出場して鈴木や田中らの足を完封できれば、目標の開幕1軍も一気にたぐり寄せられる。

 ドラフト指名後には見聞を広めるため、実家にほど近い世界文化遺産、「富岡製糸場」も訪問するなど郷土愛も深い。糸を引くような送球で、王者の機動力を破壊する。【梶本長之】