世界との戦いを見据え、100%に仕上げてキャンプインする。巨人坂本勇人内野手(28)が5日、自主トレ先の米グアムに出発した。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、例年ならシーズン開幕に向けて仕上げていくが、今年は2月1日に設定。自主トレで鍛え上げ、完璧なコンディションでキャンプに臨む考えを示した。2月の実戦形式の練習を万全の状態で行い、世界一奪還への足場を固める。

 日の丸を背負う自覚の表れだった。成田空港で取材に応じた坂本勇は、1月のテーマを「キャンプに100%で入れるようにしたい」と明確に示した。例年は3月下旬のシーズン開幕に照準を合わせ、体と心を整えていく方法をとってきた。今年はその流儀を変える。「キャンプで100%にすると思ってやります」。WBCをにらみ、自主トレ先のグアムで心技体を整える決意を示した。

 2月の春季キャンプは総仕上げの場になる。昨年は松井秀喜臨時コーチの指導で、右足に体重をためて打ちにいく新打法を身につけることに時間を費やした。今年は技術習得ではなく、WBCに向けて実戦感覚を磨き上げる貴重な時間になる。巨人の春季キャンプでも、昨年は第3クールから始めたシート打撃を第2クールに前倒しする可能性がある。実戦形式の練習は1つも無駄にはできない。

 だからこそ、WBCの使用球への対応も自主トレ中にものにする。グアムにもWBC球を持参。「投げる方が気になっちゃう。(指に)かかりづらいので、しっかり練習しないとだめですね」と、スローイング練習を積んで感覚を確かなものにするつもりだ。

 3連覇を逃した13年のWBCは25打数6安打の打率2割4分、1本塁打、6打点。今回は前年度のセ・リーグ首位打者として、堂々と侍ジャパンの一員に名を連ねる。世界一奪還への思いを胸に、妥協なく100%に仕上げる。【浜本卓也】