“大阪の益田”が現れた。ロッテのドラフト2位、酒居知史投手(24=大阪ガス)が13日、フリー打撃に初登板。左足をスッと高く上げ、右足1本で立ってから繰り出す直球にはキレがあった。高浜は最初の4球はバントを試みたが、うち2球を前に転がすことが出来なかった。スイングしても2球、ケージから出なかった。次の井上も初球ファウルでケージを出ない。最後の加藤にも1球、直球でファウルを打たせた。初めてプロを相手に投げたが「しっかりコースに強い球を放れば、直球でファウルが取れる」と収穫があった。

 証言者から出た名前が、くしくも同じだった。左打ちの高浜は「伸びますね。内に角度があって入ってくる直球は益田みたい」。2日前にブルペンで受けたチーム最年長捕手の金沢も「真っすぐがピュッと来る。益田に近い」。和歌山出身の益田は、今季は抑え候補。キレのある直球を誇り、5年連続50試合登板中。大阪出身の酒居にも守護神に近いキレがあった。

 己の武器と自覚している。最速148キロで、ずばぬけて速いわけではない。「速さがないので、直球の質で勝負しないと。ブルペンでも、しっかり低めに投げ続けるイメージで練習しています」と明かした。伊東監督は「指にかかっていた。実戦向き。紅白戦(17、18日)が楽しみ」とニンマリだ。先発ローテは涌井、石川の2人しか確定していない。社会人時代に都市対抗などで活躍した即戦力右腕が、残り4枠に殴り込みをかける。【古川真弥】