安心してください、当たってませんよ。楽天釜田佳直投手(23)が22日、DeNA戦に先発。ヒヤリの瞬間は5回に訪れた。無死一塁、打者荒波にフォークをはじき返された。打球は一直線に右腕の腰元へと飛んでくる。グラブを出すも間に合わない。「電気が走りました。ビーンと来た」と左太もも付け根に直撃。痛みをこらえ、何とかボールを拾って一塁へ転送して1死を取った。「これまでの人生で股間に一番近かったです」とキンパクの瞬間を振り返った。力を振りしぼり、この回を続投。5回5安打1失点にまとめた。

 安心できる調整ぶりだ。この日は制球が乱れて2四球、5回を投げて95球と状態は良くなかった。得点圏に走者を背負ったのは4度。それでも要所を締めた。「悪いなりに抑えられたのは良かった。大きく崩れることがなかった」とカットボールなどで球を動かして凡打に打ち取った。アクシデントが発生しても、調子が悪くても抑える投球術。梨田監督は「大事なところだし、チーンとならなくて良かった」と内容は問題ないと笑い飛ばした。

 安心の本拠地開幕2試合目に進む。2年連続の先発ローテ入りは当確ランプがともり、4月5日のソフトバンク戦での登板が有力だ。右肘手術から復活し、3年目。昨季は7勝を挙げ、信頼感は高い。釜田は「開幕に向けてチームを勢いづける投球がしたい」と意気込む。慌てず、騒がず。大事なマウンドを守る。【島根純】