5番打者もスタンバイ完了! WBCから戻ったばかりの中日平田良介外野手(29)がきっちり開幕に間に合わせてきた。5回の第3打席、小山のカーブを左翼越えに1号ソロ。オープン戦最終戦を快勝で締めくくった。オレンジ色のバットから放たれた白球にスタンドが沸いた。中日ベンチに笑顔の花が咲いた。「思い切り振りました。打った瞬間、入ると思った」と会心の一打に胸を張った。

 調整不足は解消されそうだ。日本代表では控え。WBC本番は10日の中国戦の4打席しかなかった。だが戦列復帰した前日25日の楽天戦は4打席目に左前打。そしてこの日はアーチという最高の結果。「スイングはしっかりできている。投手の球をコンタクトできたのはよかった。感覚は大丈夫です」。2試合という限られた機会で開幕OKの答えを誇示した。

 ゲレーロ、ビシエド、平田のクリーンアップで開幕を迎えることが濃厚だ。前後にはずらりと俊足が並ぶ。1発もありながら、ケース別打撃も得意な平田は打線のキーマンになる。「足を使ったプレーがかなり多い。非常にいい方向に向いていると思う」と手応えたっぷりに話した。

 ナゴヤドーム8試合目でようやく今季初白星。内容も悪くない。「点の取り方はうまくいっている」と森監督もうなずいたが、「あくまでオープン戦。公式戦ではどうなるか分からない」と油断はなかった。新生中日はまだ発展途上。上り調子で3・31に向かっていくことは間違いない。【柏原誠】