ソフトバンク松田が、一振りで試合を決めた。1-1の同点で迎えた5回。先頭で打席に立った背番号3は、金子のカウント1-0からの2球目を仕留めた。打球は左中間テラス席に飛び込む勝ち越しの4号弾となった。「一番球種を持っている投手。素直にバットを出そうと思った。追い込まれるほど打てる確率が下がるので」。力まずフォークボールをコンタクトした。4日の西武戦(ヤフオクドーム)以来、4試合ぶりの1発。おなじみとなったベンチ前での「アツオ!」の雄たけび。ファンとの大合唱で、スタンドのボルテージは上がった。

 冷静でもあった。リーグ屈指の好投手、金子との対決。5月に入って打撃は上昇曲線を描いているものの、しっかりとした分析眼もあった。「大きいのを打とうと思ってレフトを狙うと体が開いたり、打球を引っかけたりするので」。基本形でもあるセンター返しの打球を心掛けた。「去年も左中間の本塁打が多かったし」と納得顔だ。お祭り男は首位奪取までチームを鼓舞し続ける。