楽天の星野副会長が阪神優勝に向け、「楽天戦の勝ち越し」指令を出した。03年に18年ぶり優勝を果たすなど2シーズンで指揮を執り、その後もフロント(シニア・ディレクター)として尽力した古巣だけに、思いはいまだに強い。12年ぶりに優勝するために「まずはこの3連戦、ウチに勝ち越さないとな」と“条件”を語った。

 楽天、阪神とも好調な理由について「どちらも大きなケガ人が出ていない」と分析。その上で、顔面に死球を受けながら出場を続けた鳥谷を例に挙げて「3年ぐらい前なら休んどったかもしれんけど、今は休めんやろ。尻に火がついとるから。目の色が違うよ」。選手間の競争が続く阪神のチーム事情を評価した。

 さらに前日の西武戦で福留がバントしたことに「3、4番にバントのサインは出しにくい。それを自分でやってくれるんだから。原(元巨人監督)ならバントのサイン出すやろうけどな」と絶賛した。

 両軍の指揮を執った自身にとって阪神-楽天の日本シリーズ実現は夢と位置づける。その点について「8月終わりぐらいやろ。その頃になれば見えてくる」と慎重に話していた。【高原寿夫】