中日加藤宏幸球団代表は6日、ナゴヤ球場で取材に応じ、木下雄介投手(27)が3日に死去したことを発表した。同投手は7月6日のナゴヤ球場でのリハビリ練習中に倒れ、救急搬送。病院で入院、加療を続けていたが、帰らぬ人になった。加藤代表は「木下投手は7月6日の練習中に倒れ入院し、8月3日に亡くなられた。ご家族のこともありこれ以上は言えない。(球団発表を控えてきたのは)家族の強い意向があったため」と説明した。

木下雄は今季は勝ち試合でのリリーフを期待され、3月21日の日本ハムとのオープン戦(バンテリンドーム)に登板し、投球直後に右肩を脱臼。4月に脱臼した右肩とともに、右肘の内側側副靱(じん)帯再建術(トミー・ジョン手術)を受け、再起を図っていた。同投手は16年育成ドラフト1位で入団。生光学園から駒大に進学したが1年で中退し、2年間野球から離れたあとに独立リーグ徳島を経てプロ入りした。妻子連れで入団したが1年目は単身赴任で寮生活で野球漬けの日々を送った。18年には1軍キャンプに抜てきされ3月24日に支配下昇格。19年には父を交通事故で亡くし、20年には春季キャンプで右足首を故障するなど、困難を乗り越えてきていた。