今季限りでソフトバンクを退団するウラディミール・バレンティン外野手(37)が、鷹ラストゲームに「4番DH」でスタメン出場し、最終打席に特大アーチを描いた。

3ー3の8回無死走者なしで、中日マルクの146キロ直球を強振。打った瞬間にそれと分かる完璧な当たりで、左翼の防球ネットへ突き刺した。ウエスタンリーグ最終戦に決勝アーチ。「本当に自信を持って打席の中に入ったよ。ホームランを打てるボールを探していましたし、結果そういう打球が出て本当にうれしいね」。4打席立って、1本塁打含む2安打1打点、1四球1三振だった。

来季以降も日本球団で現役続行を強く希望しているバレンティンにとっては、最高のアピールになった。「自分が今できるんだということを、他のチームに示すことができたのは1つ大きなことだね。自分の気持ちも体も全然できるよ」。 今後のスケジュールについては「(米)マイアミに住んでいるので、マイアミでしっかり練習するよ」と明かした。

「皆さんもご存知の通り、この2年間は良くなかった。でもそれは終わったことなので、しっかり来年以降に向けてやっていくよ」 ソフトバンクでは20年から2年間で82試合、13本塁打、31打点、打率1割7分と、不本意に終わった。しかし、この日は目の覚めるようなアーチを筑後に打ち上げた。日本記録のシーズン60発を放ったバレ砲は、またよみがえって見せる。【只松憲】

◆ウラディミール・バレンティン 1984年7月2日生まれ、オランダ領キュラソー島出身。マリナーズ、レッズを経て11年ヤクルトに加入し、同年から3年連続本塁打王。13年にはシーズン60本塁打の日本記録を樹立し、MVP獲得。18年打点王。20年にソフトバンクへ移籍。185センチ、100キロ。右投げ右打ち。