<オープン戦:ソフトバンク4-0横浜>◇6日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク松中が「復活」を印象付ける一撃を放った。初回1死一、三塁。カウント1ストライクから、横浜のエース三浦の140キロの直球を、確実に仕留めた。「去年のオープン戦では直球をとらえられなかったんで。今までやってきたことを継続しています」。先制の2号右越え3ラン。昨年のオープン戦では3本塁打を放ったが、その中身が違う。師匠の王監督から永遠のテーマとして厳命される「直球を打つ」ことを果たし、松中も確かな手応えをつかんだ。

 今キャンプの声出しで「今年は野球人生をかける覚悟」と決意表明した。昨季は打率2割6分6厘、15本塁打、68打点、とレギュラーに定着した99年以降、本塁打と打点は自己ワーストに終わった。レギュラーシーズン3位に終わったチーム不振の責任をも、一身に背負った。胸に秘めた思いは、グラウンド上での結果となって表れ始めた。王監督も「開幕に向けて順調に仕上がりつつある。4番が打つと全然、違う」と昨年との違いを敏感に感じている。「自分で修正するポイントは分かっている。開幕に向けて、いい方向に向けていかないと」。汚名返上の舞台はもうすぐ訪れる。その準備に余念はない。【中村泰三】