ソフトバンク小久保裕紀内野手(36)が米国での左手首のリハビリを終え、16日に帰国することが7日、明らかになった。小久保は昨年10月に左手首三角線維複合体の損傷部分の修復手術を受け、12月にリハビリのため再渡米していた。現地でのリハビリは順調に進んでおり、2月21日にはティー打撃を再開していた。17日に福岡に戻り、当面は2軍で調整する予定だが、球団は1軍から打撃投手の派遣も検討しており、小久保の早期復帰に向け、万全の態勢を整える。

 開幕ダッシュを後押しする明るい話題が、ソフトバンクに届いた。小久保が約2カ月半に及ぶ米アリゾナ州でのリハビリ生活に終止符を打ち、16日にいよいよ帰国する。17日には福岡入りし、王監督への経過報告を済ませた後、当面は2軍で調整を行う見込みだ。

 小久保は昨年10月31日に米ロサンゼルス市内の病院で、左手首三角線維複合体の損傷部分の修復手術を受けた。一時帰国後、12月26日に左手首のリハビリと自主トレのため、再渡米。その後は右肩けん盤の修復手術を受けた斉藤とともに、現地でリハビリキャンプインしていた。

 リハビリは順調に進んでいる。2月21日にはスタンドティーで25スイングを行い、昨年10月10日のプレーオフ第1ステージ以来、134日ぶりとなる「打撃」を再開。「ここではスタンドティーしかできないけど、これが100%、心配ない状態にしてから帰国したい」と小久保は帰国のめどを語っていた。現在は60~70%の力でスイングできるまで回復しており、帰国までの残り期間で、さらに状態を上げるつもりだ。

 現地では余暇を有効活用し、本場の野球を目と耳で学んだ。メジャーキャンプを視察し、マリナーズ城島、カブス福留ら日本人メジャーリーガーと食事にも出掛け、野球談議に花を咲かせた。3月1、2日にはピオリアで行われたマリナーズ対パドレスのオープン戦を連日観戦。自身のブログには「僕の身体にかなりの刺激が入っていくのを感じました。最高の気候にきれいな天然芝。あ~早く野球がしたい…」と率直な心境を書き込んでいた。

 王監督は小久保の復帰について「6月くらいと思っている」と余裕を持って考えている。小久保も「開幕には出たいけど、焦って中途半端な状態だと手術をした意味がなくなる。まず、手首をしっかり治すことを優先したい」と復帰には慎重な姿勢を見せている。現地ではティー打撃しか行えないため、帰国後にフリー打撃を再開する。球団は小久保の復帰態勢を整えるため、1軍から打撃投手を2軍に派遣することも検討している。

 戦力としてはまだグラウンドに立てないが、チームの精神的支柱である小久保が、開幕直前に帰国する効果は計り知れない。その存在感が、チームメートの何よりの力となる「主砲」が、もうすぐ帰ってくる。