天谷に乗って突っ走れ!

 広島は今日6日、地元(尾道)にオリックスを迎えて交流戦の後半戦をスタートさせる。ビジター戦の多かった前半に7勝5敗の好成績。後半は6カードのうち4つがホームゲーム。首位まで1ゲーム差の好位置につけ、ホームの利を生かせば初優勝も見えてくる。広島市民球場に抜群に強い天谷が打線のキーマン。イキのいい切り込み隊長がカープの勢いを加速させる。

 新千歳空港の待合ロビー。天谷は遠く離れた“わが家”の土のにおいを思い出しているようだった。

 「広島市民球場でやたら打っていて、いい数字なのは知っています。僕は内弁慶なんですよね(笑い)。ずっと市民球場で試合をしたいくらい。全然感じが違うんですよね」。

 今季、お立ち台に上がること3度。なぜかホームで際立つ勝負強い打撃だけでなく、軽妙なトークでもファンを沸かせてきた。「ホーム男」のイメージは定着。本人が自覚するように成績も合致している。

 広島市民球場では打率3割7分2厘。主催試合に限っても3割6分3厘と強い。対してビジターではほぼ同じ打席数で1割8分1厘とガタ落ち。仙台・札幌では16打数1安打と「H」ランプが遠く、打率も2割7分まで落とした。

 ただ、ここで踏ん張るのが今年の天谷だ。実際、この4試合も安打こそ1本だが、中身を見ればしっかりとらえた打球は半数近くに上っている。今季は何度か2割7分を切りそうになったが、本拠地での爆発で持ち直してきた。内田打撃コーチには「2割7分に落ちたら、ホームで9分に戻してな。行ったり来たりだな」と言われていた。5月26日のロッテ戦で3安打した試合が典型的だ。

 広島市民球場での試合では正午ごろから体を動かし、みっちりと1時間近く走り込み、打ち込みを行うのが日課。「しっかり汗を流しているのがいいのかも」と天谷は言う。

 同コーチも「成績は詳しく分からないが、本人がそう思っているのはいいこと。いいモチベーションになる。東出も同じ感じかな」と語った。1番打者を多く務める天谷の出塁が、チームに勢いをつけることは間違いない。

 昨年までの3年間は12球団最低勝率だった苦手の交流戦。今年は明らかに風向きが違う。ブラウン監督は「投打ともに安定感が出てきた。相手に合わせてばかりではなく、自分たちの野球をまずやれている。それが去年との違いだ。本当に実力に自信があれば、そんなにたくさんの情報は必要ない」と断言した。

 交流戦の優勝賞金は5000万円。球団ではまだ使い道を想定していないが、過去のケースから選手にも分配されるのは確実で、大きなモチベーションになる。今日6日からカープナインの挑戦が再スタートする。【柏原誠】