<ウエスタン・リーグ:阪神5-3中日>◇26日◇鳴尾浜

 遅れてきたVの使者になる!

 阪神金村暁投手(32)が26日、ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)に先発し、4回無失点の好投を見せた。調整登板でも結果を残し、27日から1軍に帯同。7月1日からの中日3連戦(甲子園)での先発が濃厚だ。3月上旬に左太もも裏を痛めてから2軍調整が続いていたが、ようやく復調。リーグ戦再開後は先発ローテーションの一角を担い、首位安泰に貢献する決意だ。

 勝負どころで、正確な制球力が光った。無失点で迎えた4回。連打を浴びた金村暁は、丁寧な投球を心掛けた。一、二塁のピンチで堂上剛を中飛に料理。そして平田には追い込んでから低めにフォークを決める。空振り三振に仕留め、調整登板を締めくくった。

 金村暁

 序盤は良かったんですけど、途中からボール先行になり、リズムが悪かった。でも右打者の内角にも投げきれていたから、まずまずかな。全体的には、まとまっていましたね。

 1軍昇格に向けて、重要なマウンドだった。岡田監督、久保チーフ投手コーチら首脳陣が見守るなかで、初回から危なげのない投球を披露した。昨季まで在籍した日本ハムで通算88勝をマークした。28日からのリーグ戦再開を控えて、実績のある右腕への期待は大きい。首脳陣は先発スタッフの一員として計算。中西投手コーチも説明する。

 中西コーチ

 交流戦で投げさせようかという話もあったけど「できればセ・リーグ相手に」という考えがあったからな。いいスタートを切って欲しい。大切な7月だし、先発に頑張ってもらわないといけない。

 6・5ゲーム差開いている2位中日とは、7月に9試合戦う。日程的にも6連戦が2度、9連戦も1度控えており、まさにペナントレースの命運を握る1カ月になる。視察した岡田監督も金村暁について「もう投げてもらわんとな。(故障した)3月から(2軍)やからな。連戦もあるし」と話し、リーグ戦の「切り札」として位置づけている。

 開幕前の3月8日西武戦(皇子山)で左太もも裏の張りを訴えて登板回避。2軍でリハビリを行った。回復後も2軍戦で結果を残せず、もがき苦しんだ。復調し、7月1日からの中日3連戦での「タテジマデビュー」が濃厚だ。過去には中日戦で2勝を挙げるなど好相性を誇る。金村暁は「強いという印象です」と警戒するが、眼下の敵をたたく格好の刺客になる。新天地での今季初昇格を控え、金村暁の口調も熱を帯びる。

 金村暁

 いい状態を保っている。毎試合何か課題がでてくるけど、いいところを生かしながらやりたい。

 27日からは1軍に帯同。Vロードを独走するためにも、百戦錬磨の右腕がチームを底支えする。【酒井俊作】