<オリックス4-1ソフトバンク>◇1日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンクが深刻な「1回1点病」に陥った。奪った得点は8回に松中が放ったソロ本塁打のみ。これで6月21日の巨人戦から6戦連続で、1イニングに1点しか記録できない。その間、1試合平均2・1得点という不発ぶり。「向こうは見事に大きいのがポンと出てね。こっちは何か打球が弱いんだよな。三遊間とか、左中間に行く打球も弱々しい」。初回1死満塁で無得点に終わった自軍と、1死一、二塁で先制3ランが飛び出したオリックスとの差に、振り返る王監督も語気が弱かった。

 5位オリックスに天敵までつくった。プロ2年目の小松。4回まで毎回、得点圏に走者を進めながら、1点も奪えなかった。小松には7回で無得点。これが今季3度目の対決で、対戦成績は0勝3敗(昨季から4連敗)、防御率0・87、打率1割8分2厘、と完ぺきに抑え込まれた。3安打を放った川崎は「スライダーが分かっていても、みんな打ち損じる」。不調で中継ぎに降格し、先発復帰したばかりの小松だったが、データの再分析と徹底が緊急課題となった。

 5位オリックスを相手に、エース杉内で落とした。3連敗で首位西武とは4・5ゲーム差。試合後、王監督は選手ロッカー室で緊急ミーティングを開き、選手に奮起を促した。「杉内は次回頑張って、野手は明日も試合があるんだから、この悔しさを表現しないと。流れは変わるんじゃない、自分たちで変えるものだ」と王監督は悔しさをにじませて、移動バスに乗り込んだ。その思いは、ファンも同じだった。京セラドーム大阪の左翼席に陣取った応援団は4番小久保の最終打席で、横断幕を引っ繰り返す“抗議”に出た。【中村泰三】