新春の珍事に、Aクラス入りに確かな?

 手応えだ。楽天の球団フロント首脳陣が6日、仙台市の大崎八幡宮で今季の必勝祈願を行った。島田亨オーナー(43)が引いたおみくじには「負けておくことが利益」という一文が…。しかしエース岩隈の存在や補強の成功、東北での主催試合の拡大と、今年は好材料は盛りだくさん。新年早々まさかのお告げも、ポジティブな笑顔で受け止めた。

 「今年は本気です」。同オーナーはそう言いながら、さい銭箱に1万円札を入れて静かに手を合わせた。おみくじを引くと「吉」の文字。しかし、勝負事の欄に、まさかの一文があった。「負けておくことが利益」。同オーナーは苦笑い、周りの報道陣は爆笑だ。それでも創設5年目に臨む球団トップは、すぐに笑顔で解釈した。

 島田オーナー

 負けて利益ということは、シーズンを2位か3位で終えて、プレーオフで優勝するということなんですよ。

 確かな手応えがある。昨季21勝を挙げた岩隈は新選手会長に就任し、近いうちに第2子も誕生する。そんなエースに「人間としての成長が著しい年になる」と期待。また、このオフは中日からFAで中村紀、ヤンキースから先発ローテーション候補のラズナーの獲得に成功。「今回は補強を頑張った。それぞれの選手が役割を果たしてほしい」と話した。

 また、3月には初めて本拠地Kスタ宮城でオープン戦を行い、2年ぶりに秋田での主催試合も決定している。例年より地元みちのくファンから大きな期待を受ける1年となるだけに、同オーナーは「なんとか2位以上に入って、Kスタ宮城でプレーオフを開催したい」と話した。

 野村監督も契約を1年延長し、クライマックスシリーズ進出を最低限の目標に掲げる。絵馬に「CS進出」と書き込んだ島田オーナーは「365日、頭の中でチームが勝つことを考えます」。自信に満ちた表情で意気込んだ。【由本裕貴】

 [2009年1月7日11時38分

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