「エースの3カ条」を勉強します!

 阪神久保田智之投手(27)が9日、茨城県ひたちなか市内でヤンキース井川慶投手(29)、清原大貴投手(19)との合同自主トレを公開した。今季から先発転向を予定する久保田に対し、虎の元エース井川が先発投手の心得を3つも伝授。阪神在籍時に4度の年間200イニング以上を達成した左腕に弟子入りし、鉄腕が開幕ローテ入りをグッと引き寄せる。

 場所は「先発教室」。井川先生が、新入生の久保田くんに3つの宿題を出した。「前も先発をやっていたし、分かっていると思う。何かを教えるということもないんですが…。体力もあるし(先発投手としての)力もある」。新しい生徒の素質を高く評価した上で、快くアドバイスを送った。

 (1)早期KOは厳禁

 中5、6日の間隔をもらう先発投手は、試合をつくることが最低限の仕事。首脳陣、野手に信頼される投手になって欲しい。そんな期待を込め、先生は「1シーズンを通して、しっかり試合を作って欲しい。悪いなりにゲームを作れるようになったらいい」とアドバイス。

 (2)おサボり奨励

 中継ぎと違い、先発は長いイニングを任される。「100%で投げても、もたない。力を入れるところは入れて、抜くところは抜かないと」。常に全力投球が基本だったセットアッパー時代の考えを一掃するよう求めた。

 (3)大げさな体のケア

 前述の2つを実践する上で欠かせないのが、ケガをしない体作り。「ちょっとでも悪いところがあれば、そこを重点的に治すことが大事」。黙っていて、故障がひどくなってはチームにも迷惑がかかる。

 先生は阪神在籍時、01年から6年連続でチーム最多登板回するなどど4度も年間200イニング以上を達成。昨オフまで2年連続で合同自主トレの受講生だった岩田は、昨季10勝でブレークした。説得力十分の先生に、実績のある鉄腕も絶大なる信頼を置く。

 久保田

 ずっと先発でケガをせず長いイニングを投げた実績がある方。僕も近づけるように。向こう(メジャー)の話も踏まえて、経験とかの話を勉強させてもらっています。

 7日から合同自主トレを開始し、この3日間は井川流トレのみで約5時間、下半身を中心に強化。鉄腕は「しんどい。走るメニューが多い。僕は走るの嫌いなんで」と苦笑い。それでも茨城にいる15日まではブルペンも封印し、先生に付いていく覚悟だ。

 「井川さんはケガが少ない人というイメージ。ケガをしない体を作りたい。(200イニング超えは)ケガなく1年間投げた結果。1試合1試合の積み重ねが200イニングになる」。先生と同じ、立派なエースになるために。「開幕でしっかりローテに入っていけるようにしたい」。出された宿題はしっかりやりま~す。【佐井陽介】

 [2009年1月10日12時53分

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