<横浜6-1中日>◇2日◇横浜

 横浜三浦大輔投手(35)は8回、ブランコの右足に当たった打球を処理し一塁へ投げた。顔をゆがめ、足を引きずりながら引き揚げる姿に、ファンの拍手が降り注いだ。8回1失点で今季3勝目。強風の中、低めへの制球が光った。そして最後のプレーには、勝利への執念が感じられた。5位中日と0・5差。昨年4月6日以来指定席だった最下位脱出へあと1歩に迫る白星だった。

 三浦は「去年の悔しさはみんなかみしめている。でも星勘定している余裕はないから」と強調した。勝ちたい気持ちが1つになった。試合前ミーティングで選手会長の村田がナインに呼びかけた。「今年は横浜スタジアムであまり勝てていない。今日こそはいいゲームをしましょう」。その声に呼応するように投打がかみ合った。

 三浦が4回までノーヒットに抑え、打線も5点を奪い援護。ワンサイドゲームとなった。昨年末、村田は「番長(三浦)には申し訳ないけど投手次第」と、12球団ワーストの防御率4・74だった投手陣の奮起を促した。それに対し三浦は「悔しい。抑えるから、しっかり打てよという試合を増やしたい」とこたえていた。その言葉を証明するような内容になった。

 1年以上続く屈辱の最下位脱出へ、大矢監督は「最下位脱出が見えた?

 現時点の話だからね。うちはマイナス6(開幕6連敗)から始まっている。4月は苦しんだ。月も変わったし今日からが再スタート」と本拠地で、エースで勝ったこの日の試合を“再開幕戦”と位置づけた。【竹内智信】

 [2009年5月3日8時33分

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