<阪神6-0巨人>◇4日◇甲子園

 巨人が、阪神に負けた。4日、阪神6回戦(甲子園)で完封負けして今季初黒星。昨年8月30日からの連勝が11でストップした。6度目の先発となった内海哲也投手(27)が5回途中7安打5失点(自責3)でKOされ、白星なしの3敗目を喫し、2軍降格が決まった。打線も先発下柳をつかまえきれず、今季4度目の完封負けとなった。

 68年前の記録に並んでいた阪神戦の連勝は11でストップした。だが、首位を独走する巨人にとっては、単なる1敗にすぎない。9連戦の最初のカードを勝ち越し、山口や越智らリリーフ陣を休ませることができたことも前向きな材料だった。原監督は「日々新たな気持ちで戦っている。今日は負けたということ。それだけです」と敗戦を淡々と受け止めた。

 1つだけ、心配な要素が残った。開幕から勝ち星のないエース内海は、6度目の先発でも白星を手にすることができなかった。3回に2点を先制されると、5回には2死から3連打を浴びて3失点し、降板した。味方の失策や、詰まった打球が野手の間に落ちるアンラッキーな安打もあったが、内海は「不運とかは何もない。それも実力。僕が悪い」と肩を落とした。

 この日の直球の球速はほとんどが130キロ台で、1つも三振を奪うことができなかった。先発した試合で三振ゼロに終わったのは06年以降で初めて。07年には最多奪三振のタイトルも獲得した左腕にとっては“異常事態”と言っていい。今季は6試合中、5試合が3奪三振以下と、昨年までと比べて明らかに球威が落ちている。阿部も「真っすぐに例年の力がない。チェンジアップの抜けも悪い」と異変を感じている。

 前日(3日)は新外国人のゴンザレスが快投し、次の横浜戦では高橋尚も1軍に復帰予定。先発のコマは足りていることから、2軍で“ミニキャンプ”を張ることが決まった。伊原ヘッドコーチは2軍再調整について「分からない」と明言は避けたものの「ただガムシャラにランニングして体をいじめ抜く。そして頭を真っ白にして投げる。それしかない」と、心身ともにリフレッシュすることが復調への近道と力説した。

 順風満帆だったプロ生活で初めての大きな壁。内海は「しっくりきていない。バランスが…。具体的に?

 その辺は分からないです」と試合直後は頭の中を整理できていない様子だった。「本人もつらいでしょうが、乗り越えないといけない。これも1つの試練でしょう」。原監督もエースの完全復活を待ち望んでいる。【広瀬雷太】

 [2009年5月5日9時33分

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