「ナックル姫」が歴史的勝利を挙げた。前関西独立リーグ神戸の吉田えり投手(17)が23日、マツダスタジアムで行われた広島のファン感謝デーにゲスト参加し、初めてNPB現役選手に真剣勝負を挑んだ。1イニング限定の対決で先頭の前田智徳外野手(38)をナックルボールで捕邪飛に抑えるなど、持ち味を発揮した。

 カウント1ー1からの3球目。下手投げからの内角球は微妙に動き、バットコントロールに定評のある前田智を打ちとった。「揺れてビックリしましたよ。スライドしてきて…」。初めて見た魔球の軌道を予測できず、完全に惑わされてしまった。吉田が3アウトを取るまでに2点以内に抑えれば吉田の勝ちという特別ルール。1死後、栗原、東出に連打を浴びて1点を失ったが、1死一、三塁のピンチで代打横山をナックルで二塁併殺打に片づけて、見事に“勝利”を飾った。

 吉田は「最初は威圧感がすごくあって、正直怖かったです。(結果は)いっぱいいっぱいだったので、覚えていない。打者の威圧感、迫力が漫画みたいでビリビリ来ました」と夢心地の20球だった。来季の所属先は未定だが、夢のNPB入りに向けて、思いを強くした。

 [2009年11月24日9時2分

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