<ソフトバンク4-3横浜>◇9日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクのロベルト・ペタジーニ内野手(39)が日本復帰1号となるサヨナラ弾を放った。横浜戦3-3の延長10回先頭の打席で、真田からバックスクリーン右へたたき込んだ。日本でのアーチは、巨人時代の04年10月1日ヤクルト戦(神宮)以来2077日ぶり。負ければ交流戦3連覇が消滅していた試合で、チームを踏みとどめた。

 ついに出た!

 146キロ直球をフルスイングした瞬間、忘れかけていた快感が手のひらから全身へ突き抜けた。ペタジーニはバックスクリーンに飛んでいく自身の打球を見ながら、両手を4度たたいてガッツポーズ。こぶしを握りしめて悠然とダイヤモンドを1周した。日本復帰1号は、あまりに劇的な1発。サヨナラのホームを踏むと、仲間にもみくちゃにされ、少年のような笑顔を浮かべた。

 ペタジーニ

 ホームランは何本も打っている。あの感触なら、入る確信はあった。日本に戻ってきたことがうれしい。

 格別な1発だ。日本でのアーチは巨人時代の04年10月1日ヤクルト戦(神宮)で高山から放って以来、2077日ぶり。昨季は韓国でプレーしていたが、ソフトバンクに入団が決まるまで8カ月近くトレーニングをしていなかった。それでも、こう言い切る。「ホークスとサインした時点で、結果を出す自信があった。自信が無ければ、サインせず今ごろ自宅のソファで寝ながらテレビを見ているよ」。ヤクルト、巨人で通算223本塁打を放った長打力が、さびついてないことを示してみせた。

 チームの窮地を救った。この試合で負ければ、交流戦3連覇が消滅していた。秋山監督は「目覚めたね。ペタちゃん。助かった、ナイスホームランだった」とほおが緩みっぱなし。獲得に携わった王会長も「文句なしだよね。待望久しい1発。それが彼らの魅力だからね。ペタジーニといえば本塁打。チームにとっても彼にとっても大きかったね」と、自分のことのように喜んだ。

 オフだった8日は新神戸駅から午前6時13分発の始発の新幹線に乗り、福岡で待つ最愛のオルガ夫人(63)のもとへと急いだ。7日の阪神戦は4三振。「8日は、妻とリフレッシュできたのがよかった」。待望の1発を、24歳年上の妻に感謝した。「常に上を見ている。まだ最高(の状態)だとは思ってない」。目覚めたペタ砲が、6年ぶりの日本で暴れまくる。【倉成孝史】

 [2010年6月10日11時35分

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