<日本ハム4-6ヤクルト>◇10日◇札幌ドーム

 ヤクルトが約2カ月ぶりの2連勝を飾った。4回の鬼崎裕司内野手(27)の今季初本塁打など15安打で6得点。新人の中沢雅人投手(25)は救援陣にも助けられ、約1カ月ぶりの白星で4勝目を挙げた。高田前監督から引き継いだ小川監督代行体制になって初の2連勝。セ・リーグ5位の横浜には1ゲーム差と迫り、最下位脱出が見えてきた。

 小川監督代行の報道陣への第一声は「ありがとうございます」だった。就任後、5度目の挑戦でようやく初の連勝。チームとしても4月3日横浜戦以来、68日ぶりだ。4回の相川の先制弾を皮切りに、相手の守りのミスにも乗じて得点を重ねた。6回には先発中沢が1点差に詰め寄られたが、継投で逃げ切った。10残塁に、指揮官は「欲を言えば、もう少し点を取りたかった」と苦笑いも浮かべた。

 交流戦は開幕から9連敗を喫し、高田前監督が引責辞任。暗いムードの中でも、変わらず続けてきた儀式がある。試合直前、ベンチ前で円陣を組み、1人の選手が大声でゲキを飛ばす。試合に負けたら、その「声だし役」を交代する。今回は9日に1軍昇格した鬼崎が務め、バットでも2回に今季初安打、4回には1号ソロと勝利に貢献。9日は4打数無安打だったが、2戦連続のスタメン起用に応えた。12日の楽天戦(Kスタ宮城)でも引き続き“大役”を務めることになり「チームの雰囲気も勢いもいい。仙台でも勝ちたい」と力強く言った。

 20カードぶりの勝ち越しで、この日敗れた5位横浜に、ついに1ゲーム差。小川ヤクルトが、北の大地で追い風に乗って南下する。【由本裕貴】

 [2010年6月11日8時52分

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