<阪神6-3横浜>◇28日◇甲子園

 10日ぶりに目にするHランプの点灯だった。マット・マートン外野手(28)が5試合18打席ぶりに放った安打が、7回猛攻の号砲となった。6回まで、清水にわずか2安打。しかし7回先頭のマートンが、真ん中外寄りの球を中前へライナーではじき返し、猛虎ナインがいっせいに目覚めた。

 「1回打つと、みんなに伝染するからね。気持ちいいよ」

 いつもと変わらぬ笑顔だった。普段通り-が、彼の特長だ。高打率男も、球宴をはさんで4試合ヒットなし。前夜も、いつもと同じようにほほ笑みを携え、ロッカールームへ消えた。

 もちろん心中は不安だらけだった。「ずっと(無安打が)続くんじゃないかなという気持ちになった。でも、長いシーズンが終わった時、あの(苦しんだ)時間があったから、良かったと思えるはず。心のコントロールだけは失わないように」。バットコントロールに微妙なずれが生じても、心の芯までは乱さなかった。

 前日とこの日、練習前にはロッカールームにこもった。好調時の打撃を思い起こすイメージトレーニングに励んだ。打撃練習では、和田打撃コーチが右肩の突っこみやあごが上がっている欠点を指摘。フォームの修正ポイントを真摯(しんし)に聞き入った。和田コーチも「らしいヒットも出た。もう大丈夫」とトンネル脱出を確信した。【村上久美子】

 [2010年7月29日12時5分

 紙面から]ソーシャルブックマーク