<横浜2-1中日>◇29日◇横浜

 中日中田賢一投手(28)は完投報われず今季3敗目を喫した。8回を投げきり5安打2失点。それでも勝利に結びつかなかった。

 試合後、バスへの帰り道で報道陣の待つ通路を避け、別の出口から球場を出ると「何もないでしょう、きょうは…」と話し、口をつぐんだ。1人でバスに向かう背中には悔しさがにじみ出ていた。

 許した安打は5本だけ。大崩れすることなく、内容も悪くなかった。だが、序盤に許した2点が、大きく響いた。前回22日のヤクルト戦でも7回1失点ながらチームが逆転負けし、勝ち星を逃した。「こういう投球を続けていれば、いつかは勝ちがつく」と話していたが、2試合続けて好投がフイになった。

 6月12日の日本ハム戦以来、8試合ぶりの黒星。それでも、8回を103球にまとめ、今季4度目の完投をした中田賢を森ヘッドコーチは評価した。「ずっといいだろ。ここ2試合も点が入らなくてたまたま勝ちがつかなかっただけ」。29日の完投で防御率も2・97まで上がった。次こそ打線が中田賢を援護してくれるはずだ。【福岡吉央】

 [2010年8月30日11時8分

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