<ロッテ7-2楽天>◇28日◇千葉マリン

 ロッテが逆転クライマックスシリーズ進出へ「マジック2」だ。楽天に7-2で快勝し、全日程を終了した3位日本ハムと0・5ゲーム差。残り2試合を2勝か1勝1分けで3位が決まる状況に持ち込んだ。今季初の4番に起用されたサブロー外野手(34)が1回に先制2ランで流れをつかむと、5回途中から登板した内竜也投手(25)が2回1/3を無安打無失点で今季初勝利。142試合目にして新しい力がチームに勢いを与えた。

 ロッテは142試合目にして投打の「今季初」で楽天を蹴散らした。まずは打でサブローだ。1回2死二塁から楽天川井の真ん中スライダーをとらえた打球は、バックスクリーン左へ吸い込まれた。ゆっくりとダイヤモンドを回ると「打った瞬間入ると思った。自分でもびっくりです」。今季初の4番でいきなり結果を出した。

 この日の打撃練習前に西村監督から4番を告げられた。負けられない試合で、選手会長として責任も感じていた。だが試合になれば「何も考えないでいこうと思った」と34歳のベテランは平常心で臨んだ。8月28日には右太もも裏を痛めて登録を抹消されるなど、チームに貢献できずにふがいない思いもあった。それだけに「あまり調子はよくない中、監督が4番に使ってくれたし気持ちで応えたかった」と気迫を見せた。

 投では2番手の内が圧巻だった。5回2死から2番手で登板、2回1/3を無安打無失点で今季初勝利を挙げた。最速149キロの直球を主体に、キレ味鋭いスライダーで楽天打線を封じた。先発したマーフィーの早期降板を、しっかりとカバーしてみせた。

 03年ドラフト1位で入団も、07年11月に右肩を手術するなど、6年間で3勝と苦労を味わった。昨年8月にプロ初勝利を挙げたが、勝負の年と臨んだ今季も1軍と2軍を行き来し、思うような結果を残せなかった。それでも「いつでもやってやろうという気持ちはありました」と出番を待った。

 本拠地の千葉で迎えた3連戦。試合前にはファンに配られたブルーバンドをチーム全員に配るなど球場全体も1つになった。日本ハムも勝ち、負けられない状況は変わらない。それでも西村監督は「今日は選手がうまく対応してくれた。内もいい働きをしてくれた。みんなが絶対に負けられない気持ちを出してくれている」と全員をねぎらった。残り2戦。文字通り全員野球でCS進出を勝ち取りにいく。【斎藤庸裕】

 [2010年9月29日9時39分

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