<日本シリーズ:中日12-1ロッテ>◇第2戦◇10月31日◇ナゴヤドーム

 中日がロッテに雪辱し、1勝1敗のタイとした。第3戦は2日、千葉マリンで行われる。

 本拠地で仕切り直しだ。ロッテが中日に惨敗し、日本シリーズでの連勝が8で止まった。先発ビル・マーフィー投手(29)が2回途中6安打3四球7失点(自責4)と大炎上。第1戦を快勝した勢いは、序盤でプツリと切れてしまった。それでも苦手のナゴヤドームで1勝1敗。千葉マリンに戻り、地の利を生かす。

 前夜の勢いはいきなり途切れた。ロッテの誤算は、先発マーフィーの早すぎるKOだった。1回の1球目が悪夢の始まりだった。荒木に高めに浮いた初球の直球を左前に運ばれた。流れをつかまれると、井口の失策もありこの回だけで4失点。2回にも3点追加された。1回1/3を7失点。今季最短KOで「大事な試合のマウンドを任されたのに、本当に申し訳ない。守っていた野手、ベンチに申し訳ない気持ちしか今はない。悔しいし情けない」と、顔を赤らめナインに謝罪した。

 シーズン終盤からここまで安定していた中継ぎ陣も、いきなり押し寄せた波は止められなかった。30日は4打数無安打と抑え込んだ1番荒木に3安打、4番和田も3安打と、警戒しなければいけない打者を勢いづかせた。眠っていたブランコにも1発を食らい、恐竜打線を目覚めさせてしまった。2番手で3失点の小野晋吾投手(35)も「ベテランだし相手の勢いを止めないといけなかった」と悔しがった。投手力で勝ってきたチームに被安打14、12失点で今季ポストシーズン初の2ケタ失点で大敗だった。

 それでもチームに悲壮感はない。里崎智也捕手(34)は「1-0でも100-0でも一緒ですから」と早くも切り替えた。まだ1勝1敗のタイ。2日の第3戦からは本拠地千葉マリンでの3連戦。先発陣は多彩な変化球で風を味方にできる渡辺俊介投手(34)、中日とは初対戦となるヘイデン・ペン投手(26)が控える。また西村徳文監督(50)も「チームとしては非常に大きい」と言う唐川侑己投手(21)の復帰など、プラス材料が多い。本拠地での公式戦は、CS進出をかけた負けられない3連戦で3連勝した10月1日以来1カ月ぶりだ。「千葉に戻ってきます」と指揮官が誓った地で新たなスタートを切る。

 ホームでは44勝26敗と6割以上の高い勝率をマークし、マリン特有の風と一体感のあるファンの大声援は確実にチームにとって追い風だ。西村監督も「マリンでできると気持ちも違う。明日1日あるし、負けを引きずることはない」と、本拠地での戦いに自信をのぞかせた。【斎藤庸裕】

 [2010年11月1日9時26分

 紙面から]ソーシャルブックマーク