<ヤクルト6-6巨人>◇31日◇神宮

 原巨人が勝ちを逃した。前日は9回2死から追いつく粘りをみせたが、最大5点リードを守りきれなかった。特に惜しまれるのが、2点リードの8回に5番手で登板した山口鉄也投手(27)の判断ミス。1死一、三塁で、高く弾んだ投ゴロを二塁に投げ、併殺崩れの間に同点に追いつかれた。4番長野久義外野手(26)の先制3ランなど理想的な展開だったが、負けに等しい引き分けだった。ヤクルトは今季11度目のドロー。首位だけに引き分けは勝ちに等しい。

 信じたくない光景だった。1点差の8回裏1死一、三塁、投手前への高いバウンドをキャッチした山口が二塁へ送球した。狙いは併殺だが、とても間に合うタイミングではない。三塁走者が同点のホームを踏み、一塁はセーフ。ホームで待ち構えていた阿部が天を仰いだ。序盤に挙げた5点を守れず、引き分けに終わった原辰徳監督(53)は「あの当たりはホーム。完全なボーンヘッド」と山口の“痛恨プレー”を振り返った。

 「準備不足」という言葉が重くのしかかる試合だった。高いバウンドにもかかわらず、併殺を狙いにいった山口のプレーだけではない。追加点を狙える7回表1死一、三塁では、長野の投直で一塁走者のラミレスが帰塁できずに併殺。「戻れなかった」とコメントしたが、たとえ一塁への痛烈なライナーでも併殺になってはいけなかった。状況的に代走を送らなかったベンチにも責任があるが、やってはいけない最悪の状況を考え、しっかりと備えていれば防げるプレーだった。

 8回裏無死一、二塁では、青木のセカンド前への高いバウンドを藤村が後逸。得点を許すばかりか、致命的なピンチを広げた。「勝負にいった結果ですが、後ろにそらしてはいけなかった」と反省するが、打球に対して回り込まず、シングルキャッチで捕りにいく姿は、明らかに軽率なプレーだった。アマチュアでは許される「ミス」ではあっても、プロの世界で許されないプレーのオンパレードだった。

 負け越してはいけない首位ヤクルトに1敗2分け。前日は負けている試合で追いつき、引き分けたが、この日は勝っている試合で追いつかれてしまった。

 状況における優先順位の徹底やしっかりとした準備。基本プレーの徹底など、やるべき事は山積。まだまだ追撃態勢は整っていない。【小島信行】