西武渡辺久信監督(46)が「大石再生」をテーマに、5年目シーズンへのスタートを切った。9日、西武ドームで秋季練習初日を迎えた。全員が強化選手だが、注目はもちろんドラフト1位ルーキー大石達也投手(23)。今年は2軍暮らしで接点がなかったため「まずじっくりと見たい。いろいろ話もするよ」。観察と面談で、今後の方向性を探る方針だ。

 不振の原因究明を急ぐ。即戦力確実といわれて入団しながら、今春に右肩を故障した。復帰後の球速は140キロ前後。最速155キロには程遠く、試行錯誤しても「スピードが戻らない」と悩む。渡辺監督は「どこか痛いわけじゃない。大学時代から投げ方も変わっていない。見た目にはわからない、さまざまな原因がある」とみて、投球だけでなく、会話からもヒントを引き出すつもりだ。

 今日10日から3試合を予定する紅白戦登板で、現状を把握する。この日は投球しなかったが、普段はしないノックを大石含む投手陣に約1時間も浴びせる熱の入れようだった。

 昨年苦しんだ2年目菊池は今季4勝と順調に育っている。この秋は、壁にぶつかったドラ1右腕復活に、本腰を入れて取り組む。【柴田猛夫】