1面載せてくれ~!

 阪神のドラフト5位、松田遼馬投手(17=波佐見)がスポーツ新聞の1面ゲットを目指して激走した。10日、鳴尾浜で行われた新人合同自主トレの2キロ走。「1位になれば1面だと思っていました」。注目度で雲泥の差があるドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)を振り切り、見事1位でフィニッシュした。

 ハヤタさん、あなたにこの気持ちが分かりますか!

 そんな叫びが聞こえてきそうな魂の走りだった。同じ高校生の3位西田直斗内野手(18=大阪桐蔭)と激しい首位争い。3周目に1人旅に入ったとき、スタッフから「1位なら1面だぞ」と声が飛んだ。

 松田の目がキラ~ンと輝いた。猛烈に追い上げてきた伊藤隼との距離を何度も振り返りながら、5メートル差でゴール。丸刈りに汗を光らせ、笑顔を見せた。

 「僕は1面になったことがないんで、本当に1面を狙ってました。明日、お願いしますね!」

 メディア露出度が高い阪神の新人だが、伊藤隼に押されて、これまで松田は控えめな扱いだった。タイムは例年の新人より遅めの7分26秒だったが「得意じゃない」という中距離走で“プロ1勝”だ。

 松田選手、彼を応援している地元長崎の皆さま。今回はご期待の1面にできず、すみませんでした。でもこのハングリーさがあれば、これから何度も1面登場の機会があると思います-。【柏原誠】

 ◆松田遼馬(まつだ・りょうま)1994年(平6)2月8日、長崎・島原市生まれ。島原四小2で「杉谷トータス」でソフトボールを始め、5年から投手に。島原一中で野球部所属。波佐見では1年夏から登板し、2年秋からエースで4番。甲子園は3年春16強、3年夏は県大会初戦敗退。182センチ、82キロ。右投げ右打ち。