巨人の無敵補強は大物だけじゃない!

 ロッテからFAでの人的補償で移籍してきた高口隆行内野手(28)が定位置争いに名乗りを上げた。26日のロッテとのオープン戦(那覇)は雨天中止になったが、相手先発が左腕藤岡だったこともあって二塁で先発予定だった。高口は全内野を守れ、打撃も対外試合はここまで、途中出場ながら5打数3安打1打点と好調。岡崎ヘッドコーチが「村田やボウカーの加入が大きいと言うけれど、石井や高口の加入が、実は内野にとっていい補強になっているということになるんじゃないか」と言うように、周囲の期待は高まっている。

 狙うは当然、レギュラーの座だ。岡崎ヘッドは「村田と坂本は全試合出てもらわないと困る選手」と話しており、現時点では調子がまだ上がってこない昨季盗塁王藤村との二塁手争いになる。高口はレギュラー取りに意欲を燃やす一方、「チームのために、与えられたところで何でもやりたい」。日本ハム時代の10年には、代打起用で控え捕手が不在になる可能性が生じ、試合中にブルペン投球を受けて出番に備えたこともある。「少ないチャンスをものにしないといけないし、いつ何があってもいいように心構えはしておきたい」と、何でもやるつもりだ。

 そんな心意気は、雨の那覇でも垣間見えた。中止決定後、周囲に促され、内野を覆ったシートの上をベースランニング。ヘッドスライディングで水しぶきを上げ、ロッテ伊志嶺らとともに球場内を沸かせた。「初めてです。こんなキャラじゃなかったですから」と苦笑しつつ、こう続けた。「お客さんが喜んでくれたのなら良かった」。今度は雨粒が落ちてこないグラウンドでのプレーで、ファンを喜ばせる。【浜本卓也】

 ◆高口隆行(たかぐち・たかゆき)1983年(昭58)8月23日、東京都生まれ。創価-創価大を経て、05年大学社会人ドラフト6巡目で日本ハム入団。11年はロッテに所属し、38試合に出場。FA移籍したサブローの人的補償で、今季から巨人入りした。180センチ、78キロ。右投げ右打ち。血液型B。