西武の新外国人スピリー外野手(33=レンジャーズ3A)が自慢の“スプレー打法”を披露した。フリー打撃で右打席から45スイング中、3発を左翼席にスタンドイン。全体的には無理に引っ張らず、打球は左翼方向に39%、中堅方向に36%、右翼方向に25%の割合だった。「オールフィールドに打つことが持ち味だよ」の言葉通り、スプレーを噴射するように広角に鋭く打ち分けた。

 お手本の選手がいる。大リーグで昨季ナ・リーグMVPのジャイアンツ捕手バスター・ポージーを参考にしており「ホームランを狙うというより、コツコツ当てて、しぶといバッティング」を目指す中距離ヒッターだ。安部打撃コーチは「マートン(阪神)のようなタイプ」と分析。ネット裏で見守った他球団スコアラーからは「ツボにはまれば怖い」「内側のボールに強い」などと警戒する声が上がった。

 主砲・中村が故障で出遅れるため期待の中軸候補だが、その前に、厳しい外国人枠争いが待つ。1軍登録は4人まで。シコースキーは日本人扱いだが、サファテ、ウィリアムズ、オーティズ、ヘルマンと、相手は日本で結果を残している強敵ばかり。スピリーは日本で未知数だけに、よほど首脳陣をうならせる結果を出さないと、開幕2軍スタートになる可能性がある。

 メジャー通算打率2割7分2厘のスプレーヒッターは、10、11日に出場予定の紅白戦でベールを脱ぐ。【柴田猛夫】