<日本ハム0-2ロッテ>◇9日◇札幌ドーム

 3時間も空を漂った疲れなど、みじんも感じさせなかった。プレーボール直後だ。先頭荻野貴の四球と岡田の犠打で1死二塁。すかさず3番井口がツーシームを中前に転がした。電光石火の早業で先制パンチを食らわし、2死後、ブラゼルが右前適時打で続いた。

 伊東勤監督(50)は「練習が短いのが逆に良かったかもな」とお疲れ気味に笑った。福岡から札幌への移動試合。タダでさえくたびれる日本縦断で、航空機が遅延した。福岡空港の混雑と、バードストライク(鳥と衝突するトラブル)による新千歳空港の滑走路閉鎖で計1時間。全員グッタリだった。

 練習できたのは午後4時半から45分程度。フリー打撃は超高速の30秒交代で、試合前のノックも省略するはめに…。だがこれで「驚きはなかったですね」と言ったのが井口だった。

 大リーグでは移動日は軽めの練習しかしない。「ダブルヘッダーもケージでちょっと打つだけだし。逆に飛行機でよく寝られてスッキリしたよ」と慣れたものだ。前カードは12打数無安打だったが、メジャー流調整?

 で息を吹き返した。

 2点目のブラゼルもメジャー経験者。他の選手も短時間で集中力を高め、スムーズに試合に入った。アクシデントもはねのけてビジター3連勝。伊東監督の「鳥の異常発生で遅れたから、今日はカモメの日」という超ポジティブ解釈がズバリ当たった。【鎌田良美】