<巨人4-0阪神>◇27日◇東京ドーム

 巨人が、4番の活躍で2位阪神を一蹴した。3試合連続で4番に座った村田修一内野手(32)は1回、21号2ランを放ち阪神先発スタンリッジの攻略に成功した。今日28日の阪神戦で勝てばマジック24、引き分けならばマジック25が再々点灯する。

 波乗りシュウイチだ!

 巨人村田が4番の神髄を見せた。初回2死一塁。スタンリッジを苦手とする3番阿部が凡退して、打席が回ってくる。戦略を練っていた。「この前の対戦でスライダーはボール球を追いかけて打ち損じるケースがあった。直球系は(今季)ホームラン2本打っている。スライダーが来る」。初球のスライダーを強振して空振り。微調整を図った。「次に甘く来たら踏み込んで打つ」。3球目の外角スライダーを見事に左翼席上段へ21号2ランを運んだ。

 今季4番で7戦目で初本塁打。首位攻防戦に燃える巨人ファンのG★スポットをくすぐる1発だった。打順は深く考えていない。「阿部さんの後だから5番を打っているような感覚。阿部さんの前を打つ方が…これ以上は言えません」と重圧が少ないことを冗談交じりに明かした。

 7月の月間MVP男は8月に入っても打率4割2厘、9本塁打、23打点と好調を維持。夏と言えば村田、そして夏と言えばサザンだ。村田はサザンオールスターズ好きで自宅から東京ドームまでの愛車の中でも曲を流している。「バラードより、ノリのいい曲がいい。元気になりますからね」。今夏、活動再開で完全復活したサザンに同調するように、村田も元気だ。

 好調維持の要因は「無の境地」にあるという。「上を求めず、下も求めず。この状態を維持するように同じルーティンを繰り返す。今まで何度かこういう状態はあったが、ここ数年はなかった」。ゾーンに入った男は止まる気配がない。村田が連覇への“希望の轍”を描き続ける。【広重竜太郎】