阪神の打撃育成コーディネーター就任が内定している掛布雅之氏(58=野球評論家)が18日、サンテレビ「熱血!タイガース党」に生出演し、猛虎再建論を語った。

 中心選手の中では主将鳥谷敬内野手(32)の名前を挙げ、早くもゲキを飛ばした。「もっと気持ちを前に出してチームを引っ張っていかないと。いい意味でわがままな野球をしてもらいたい」。守備の安定感は評価した上で、今季10本に終わった本塁打を「20本くらい打ってもらわないと」と、自らと同じ左の中軸に期待を込めた。

 今季リーグ最少の82本塁打など不振を極めた打線については、直球への弱さが原因と分析。「相手の一番速い球に力負けする。そうすると変化球に崩れやすくなり、その後悪循環でボールの見極めができなくなる」。自身の現役時代に巨人新浦と対戦した際、4打席の中で1球だけ来た直球をスタンドに運んだ過去を語りながら、直球に振り負けないことの重要性を説いた。

 最後には将来が期待される若手の名前を挙げた。「上本と大和で1、2番を組めたら、すごくいいチームになる。大和は2番として自分が犠牲になる野球へのこだわりを持たないといけない」と語るなどオーダー構想ものぞかせた。伊藤隼には「完璧にやろうとしすぎる。ハンドルでいう遊びの部分を使うような野球を」とアドバイス。続けて北條、西田、一二三らに「失敗の中になにかヒントがあるから、そういうところを言ってあげれば彼らの野球が楽になる」と、今後の指導について語った。

 安芸で行われる秋季キャンプに、掛布氏は11月2日から参加予定。「ミスタータイガース」の熱血指導に注目が集まる。