<アジアで羽ばたけ

 楽天秋季キャンプ:15日シリーズ開幕>

 アジアシリーズ出場メンバー最年長だが、心は若い。小山伸一郎投手(35)は「アジアシリーズでも、MVPってあるんですよね?」と真剣な顔で言った。プロ17年目のベテランは、本気モードで台湾へ渡る。

 12日、打ち上げた倉敷秋季キャンプでは、連日のようにブルペン入りした。日本の公式球ではなく、同シリーズで用いられる球を使用した。「日本より小さくて、縫い目が高いですね」。球の違いからスライダーが曲がりにくいとみるや、重点的に投げ込み、感覚を身につけた。チームは若手中心で臨む。だからといって、のんびり台湾へ物見遊山、とはしない。「やるからには、しっかり準備しないといけない。相手に失礼になる」。

 試したいことがある。今季終盤から投げ始めたフォークだ。変化球は、スライダーとシンカーが大半だった。決め球として使うようになったのは初めて。「フォークがあると、他の球も生きる。年々、変わっていかないといけないんです。嶋が結構、サイン出すんですよ。まだ自信がないから、ドキドキします」。そう話す姿は、35歳にして初々しかった。【古川真弥】