巨人に倍返しじゃ!

 広島野村謙二郎監督(47)が24日、広島市内でトークショーに参加し、チームが5年連続で負け越している巨人への反撃開始を宣言した。昨季はセ・リーグ球団で唯一負け越し、CSファイナルステージでも3戦全敗。まずは苦手意識を拭い去り、G倒から23年ぶりのV奪回を手に入れる。

 野村監督は約800人の観客に打ち明けた。トークショーの直前に行われたスタッフ会議の最中、打倒巨人の号令をかけたと言う。「昨年の3位からステップアップするためには、一番大きく負け越したチームに勝ちこさないといけない、と伝えました」。壇を下りた後も熱弁を振るった。

 野村監督

 やられっぱなしではいられない。苦手意識があるなら、そこを克服しないと上には行けない。

 天敵巨人は5年連続で負け越している相手。指揮官就任後の4年間を見ても、28勝63敗5分けと大差をつけられている。昨季もセで唯一負け越し(8勝14敗2分け)。CSファイナルステージでも3戦全敗を喫した。一方でCSを含めた昨季17敗のうち、1点差負けが8試合、2点差負けが3試合。歯が立たないとは感じていない。

 今季もエース前田を優先的に巨人にぶつけるといったような、偏った作戦を選ぶつもりはない。「競った試合を勝ち切ることが大事」。現役時代、巨人への苦手意識は「全くなかった」と振り返る指揮官。「巨人に絶対負けないという気持ちを、もっと強く出さないと」。キャンプ中から意識改革を進めていく考えだ。

 先日、Jリーグ広島の森保監督と会食した。2歳下の友人は就任後2年間でJ1を2連覇中。毎年のように主力が流出するチームを常勝軍団に成長させた。「あれだけ引き抜かれながら勝つ。レギュラーじゃない選手、ユースから上がってきた選手がすぐ活躍するのはすごい。うちもそういう選手が出てきたら、ありがたい」。勝者のメンタリティーを吸収し、カープに注入するつもりだ。

 昨年11月、FA移籍という形で大竹を他ならぬ巨人に奪われた。それでも頂点を目指せると、サンフレッチェが証明してくれる。「サンフレッチェに負けないように広島を盛り上げたい。てっぺんを目指して頑張らないといけない」。23年ぶりのV奪回へ。チーム全員が苦手意識を消し去り、総動員でスター軍団に立ち向かう。【佐井陽介】