ソフトバンク李大浩内野手(31)が「全開宣言」だ。好調な打線の中で打率1割台に低迷。ヤフオクドームでの全体練習に参加した14日は「明日から行きます」と、15日巨人戦からの爆発を誓った。首脳陣の期待は揺るがず、オープン戦残り7試合は4番での固定を明言。大補強の目玉でもある大砲の復調を信じている。

 フリー打撃を終えた李大浩は、やや不満そうな表情だった。好調な打線に隠れてはいるが、自慢のバットが火を噴かず、現在11打席連続で凡退。打率は1割3分まで下がった。スコアボードに表示される「・130」はくしくも体重と同じ数字になってしまった。

 「(キャンプから)ずっと右打ちしていたので、バランスが良くない。まだ目も慣れていない」。ストレスがたまり始めているようで、チーム関係者には「明日から行きます」と、巨人戦からのスイッチオンを告げた。

 モヤモヤ解消も兼ねて、打撃の次はグラウンドに飛び出した。珍しく三塁、遊撃でノックを受けた。手には子供用の小さな黒いグラブをはめていた。「大きなミットよりも、腰を落として捕らないといけないから」。さらに外野でダッシュを繰り返し、うみをだすように大粒の汗を流した。

 昨季のオープン戦は28打数12安打の4割2分9厘。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)終了直後で仕上がっていた状態でもあり、打ちまくった。それだけに現状が心配される。ただ、首脳陣の信頼は揺るがない。藤本打撃コーチは「状態は上がってくるでしょう。でなきゃ困る。4番は替えるつもりはないよ」と、残り試合も4番を託すことを明言した。

 マイペース調整を容認している秋山監督も「大丈夫だろう。あと7試合か。何日かたって、上がってくればいい」と意に介さない。巨人2連戦の相手は菅野、内海が先発。菅野は昨年交流戦で4打数3安打と打ち込んだ。一流どころから打てば自信も回復するはず。韓国の3冠王は最後に「ケンチャナヨ(心配しなくても大丈夫)」と韓国語でアピールした。【大池和幸】