悩める大砲、掛布さんヘルプ!

 開幕4番を期待される阪神の新外国人マウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ3A)が「ミスタータイガース」の教えに復調をかける。開幕への急ピッチ調整で今日25日からウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)に出場。名古屋入りの直前に掛布DCのアドバイスを楽しみにした。一方で和田監督は開幕4番構想の変更も視野に入れた。

 時は迫る。1軍チームの東上より早く、ゴメスは新幹線に乗った。行き先は名古屋。幕開けの東京へ向かう前に、再び尾張で剣を磨くことになった。やって来た「のぞみ」をスマホでパシャリ。赤シャツにジャケットを着こみ、柔和な笑みでリラックスしながら乗り込んだ。開幕まで3日間。各駅停車がもどかしくなった状況で、悩める助っ人には助っ人がいた。

 「今回もいろんなヒントがもらえればいい」

 ヘルプを求めたのは、中日戦を視察する掛布DCだった。右足の張りで出遅れた時期、2軍でアドバイスをもらったことがある。前日23日、ラストオープン戦のオリックス戦では4打数3三振。これまで1軍戦は5試合だけで、実戦不足が響く。日本の配球をつかめないまま、ボールになる外角球と変化球に何度もバットが空を切った。開花へ頼ったのは、かつての猛虎の4番だった。

 指定席の「4番」が危うくなっている。くしくも、都内でファンミーティングに参加した和田監督は揺れる思いを明かした。ファン予想の開幕スタメンにゴメスの名前がなく「(募ったのが)早い段階だったのでしょう」と分析。その上で「ちょっと調整が遅れているので、これからどう上げていくかで変わる可能性はある」と付け足した。

 和田監督

 (打順の)並びの問題でね。もちろん構想はあるけど、全て構想通りにいくとは限らない。コンディションもあるしね。準備だけはしておかないと。

 オープン戦も得点力不足に泣いたチーム事情がある。理想はゴメスがどっしり主砲に座ることで、虎将も「右肩が下がってヘッドが下から出ている」と忠告した。だが、上向くのを待って開幕戦に間に合わないケースもあり得る。現実として4番マートン、そしてゴメスを下位に置く、勝利優先の打線改造も視野に入ってきた。

 ゴメスが出場するのは2軍戦とはいえ中日山井と岩瀬が登板予定。「開幕4番テスト」にもってこいの一線級が待つ。「どんな投手だろうと、自分の経験を積んでいくだけ。シーズンは何をしなくても始まる。自分ができることをやっていきたい。できる以上のことではなく、それを意識してね」。神戸発名古屋経由東京行き。「4番」の席へ直行する。【近間康隆】