安楽よ、愛媛の星になれ。ルートインBCリーグに新規参入する「福島ホープス」の岩村明憲選手兼任監督(35)が27日愛媛・東温市内で、野球教室を行った。指導を終えると野球界の未来、楽天のドラフト1位安楽智大投手(18=済美)について熱っぽく話し始めた。「20年の五輪で野球は絶対復活すると思っている。そこで、愛媛の若い子が出てくれたら。安楽は、もちろん出てほしい」。

 五輪出場指令だった。故上甲監督を恩師として持つ2人。愛媛の野球のすばらしさ、地元への愛情を世間に伝えるには日の丸を背負い、国際舞台で活躍するしかない。「上甲監督が亡くなったというのは愛媛にとって暗い話題。県民に明るい話題を届けるには、監督の思いをプレーで表さないといけない」と県人会に加入予定の後輩に、上甲イズムの継承を託した。

 最大限のサポートも明言した。本拠地が仙台である楽天と福島は距離的にも近い。「壁にぶち当たった時に相談に乗る。僕も楽天でプレーしていたし」と自らの経験を惜しみなく伝えるつもりだ。NPB、メジャー、侍ジャパン、そして独立リーグ。酸いも甘いも味わった男が、次世代へのバトンを渡す。【島根純】