ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表山本浩二監督(66)が3日、阪神能見篤史投手(33)を「第2先発」の有力候補に指名した。阪神の宜野座キャンプを視察。ブルペンで81球を投げ込んだ能見について「できすぎて、心配するほどいいピッチングをしていた。能見は当然、先発、2人目の先発という形になってくる。それだけのものを持っている」と明言した。

 球数制限があり、1試合に2人の先発タイプの投手を配置する。先発から2番手でバトンを託される「第2先発」の人選が15日からの代表合宿のポイントになるが、能見を有力候補として指名した。

 第1ラウンドの3戦は3月2日ブラジルとの開幕戦に先発予定の楽天田中のほか、広島前田健、巨人内海が「第1先発」の候補。その後を受ける「第2先発」は2大会連続出場中の巨人杉内、ソフトバンク摂津ら中継ぎ起用も可能な豊富な駒をそろえた。序盤でつくった流れを生かし、終盤へつなげるという難役になる。

 厳しく適性を見極めていくが、山本監督は早くも能見の用途を見つけた。「先発や中継ぎで長いイニングの可能性はある」。昨季は杉内と並ぶセ・リーグ最多奪三振で貴重な先発タイプのサウスポー。大役にリストアップされた能見は「いろんな想定をしている。貢献できるなら、どこでもいい」と呼応した。キャンプ視察3日目。浩二ジャパンがV3への青写真を、本格的に披露し始めた。【高山通史】