7日は七夕だったが、出張先の名古屋の空はどんより…。雨も降ったり止んだりで、青空も久しく見ていない。取材先で力士たちに「今日は七夕ですよ!」と言っても、「あ、そうでしたね」という反応が多い。どことなく忘れ去られたような夏のイベントだが、名古屋場所(7月12日初日、愛知県体育館)も迫り稽古に集中しているから無理もない。では、力士たちは何を願ったのだろうか。

 幕下大翔丸(23=追手風)は春場所で新十両昇進を決めたが、1場所で陥落。兄弟子の遠藤(24)から熱血指導を受けるなど挽回を期しており、願いはもちろん「関取に戻れますように」。今場所に懸ける思いはひとしおだ。

 幕内誉富士(30=伊勢ケ浜)はこの日、田子ノ浦部屋で稽古し、全20番で10勝10敗。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から細かいアドバイスを受け、力強い突き押し相撲を見せた。部屋の関取衆は、近大の後輩でもある宝富士(28)が新小結に昇進したため、誉富士以外は全員が三役経験者となった。自分も早く追いつけ、追い越せ--かと思いきや、願いは「糖尿病が治りますように」とニッコリ。力士の思いは、さまざまだ。【桑原亮】