ボクシングのWBC世界ミドル級4位村田諒太(29=帝拳)が、陸上男子ハンマー投げの04年アテネ五輪金メダリスト室伏広治(40=ミズノ)からフィジカル面の指導など、継続的なサポートを受けていくことが27日、分かった。室伏とはともに出場した12年ロンドン五輪以来親交があり、トレーニングの話をする中で、室伏の経験をもとにした「鉄人理論」を学ぶことが決まったという。

 日本が世界に誇る金メダリスト2人による豪華タッグの実現だ。村田にとって室伏は、アスリートの中で唯一写真撮影を頼んだことがあるほどの特別な存在。長く世界のトップで戦う姿に深い尊敬の念を抱いてきた。目標の「世界王者」に向けた本格的な戦いが始まるこの時期に、室伏のノウハウを吸収することはさらなる飛躍に直結するといえる。

 室伏は昨年10月から東京医科歯科大の「スポーツサイエンス機構」で教授を務めており、4大会連続五輪出場、日本選手権で20連覇を果たした経験や技術論をスポーツ界に還元することを目指している。このほど都内で行われた「初練習」では、下半身の使い方やウオーミングアップでの細かな動きなどを具体的に指導。村田も大きな刺激を受けていたという。

 日本人では不可能といわれたハンマー投げとボクシングのミドル級で五輪の金メダルを獲得した両者。プロの世界で再び頂点を目指す村田に、強力な援軍が現れた。