WBC世界ライトフライ級タイトルマッチで、王者木村悠(32=帝拳)は0-2の判定負けで、初防衛に失敗した。

 木村は右目を冷やしながら、時には苦笑いを浮かべて言った。「全力は尽くした。後悔はない。力不足で相手が強くうまかった」。採点はジャッジ1人がドローも、2人は8と10ポイント差と完敗を認めた。

 初回からロペスが攻勢で手数も多く、ペースを握られた。身長2・5センチ、リーチ5センチ差以上に「出入りで戦おうと思ったが、懐深くパンチが届かなかった」と4回終了時で0-3と劣勢。「ボディーで削っていこうと思ったが前にいくしかなくなった。動きもパンチも多彩だった」。6回に右目下を切り、8回終了時はさらに差がつき、反撃パンチも空を切った。

 日本の79人目の世界王者も、過去V1成功は78人中50人となる。攻めから守る立場となり、勝率は64・1%と高くはない。「常に挑戦していく」と言っていたが、世界再挑戦のロペスの方が最後まで攻めていた。今後については「ゆっくり考えたい」と話すにとどまった。

 ◆木村悠(きむら・ゆう)1983年(昭58)11月23日、千葉市生まれ。中学でボクシングを始め、法大1年時に全日本選手権ライトフライ級優勝。卒業後帝拳ジムに入門し、06年10月にプロデビュー。14年2月日本ライトフライ級王座獲得。3度の防衛後に返上。161センチの右ボクサーファイター。家族は夫人。