急性骨髄性白血病で1月に緊急入院した格闘家ノブ・ハヤシ(30=ドージョーチャクリキ・ジャパン)が、復帰への熱い思いを語った。現在も都内の病院に入院中。無菌室で闘病生活を送っている中、日刊スポーツのインタビューに応じた。「希望と夢を持って向き合えば大丈夫と思う。絶対にリングに上がる」と、6月下旬から7月の退院、来年の完全復帰を目指す。

 「病名だけを聞いたらみんなびっくりするけど、元気そうでしょ?

 元気じゃないですけど、元気です」。ガラス1枚隔てた無菌室に姿を見せたノブは、人なつっこい笑顔で言った。投薬治療で、日によって体調は変化する。それでも「恐怖心はないんですよ」と、白血病という難敵と真正面から向き合っている。

 1月の血液検査で病が発覚した。恐怖心は起きなかったという。ファイターだからなのか、戦う覚悟はすぐに決まった。

 ノブ

 驚かなかった。でも、いろいろ考えたら大変な病気だって分かってきた。「試合ができなくなるのか」って医者に聞いたら、「治って自分で血液がつくれるようになれば」って言ってもらえた。治ったら試合ができるって聞いたので、すぐに気持ちを切り替えました。

 闘病生活を支えているのは、格闘家としての強い意志と家族を思う気持ちだ。

 ノブ

 希望とか夢を持って向き合えば大丈夫。それは何でもいいんですよ。僕の場合は試合をすることと、両親のことですね。

 筋力は当然落ちてきた。「足も細くなったんですよ」と苦笑する。ノブはできる範囲で腕立て、腹筋、シャドーを行っているという。復帰したら、試合以外でやりたいこともできた。

 ノブ

 勇気を与えるだけじゃなくて、病気にかかっている人をどうすれば励ませるか考えたい。僕は輸血もしているけど、その血は誰の血かは分からない。回り回って僕に来た。今までそんなことは考えたことがなかった。その人のためにも治さないといけないなって思ったんです。

 ノブは6月下旬か7月上旬の退院、来年の完全復活へ向け、白血病との闘いを続けていくという。「復活を待ってほしいです」。病に打ち勝ち、リングに立つノブが待ち遠しい。(聞き手=浜本卓也)