<新日本:東京大会>◇12日◇両国国技館◇1万1000人

 IWGPヘビー級選手権試合は王者中邑真輔(29)が、挑戦者のゼロワン・大谷晋二郎(37)をボマイェ2連発からの片エビ固めで撃破し、初防衛に成功した。かつて同王座を3度戴冠し、最高9度の防衛に成功した故橋本真也さん(享年40)の「破壊王」イズムを継承する大谷の猛攻をはねのけ、新世代旗手の貫禄を見せつけた。試合後は、あらためて同王座創始者で、IGF会長アントニオ猪木氏との対戦熱望を宣言した。

 中邑が「破壊王」を乗り越えた。「ゼロワン+橋本真也」との戦いと位置付けた試合を制し「(大谷が)橋本真也だったかはわからない。ただ、大谷は自分が思っている以上に熱く、強かった」と振り返った。

 これで中邑は蝶野、全日本・武藤、間接的に橋本さんとも触れた。新日本の一時代を築いた闘魂3銃士を体感した。その上で、目指すターゲットは、あくまでアントニオ猪木氏だった。試合後、右眼窩(がんか)内側壁骨折で欠場中の棚橋弘至がリングに登場し、挑戦を表明した。

 中邑は「リングに立てるなら、いつでもやってやる」と受諾したが、視線の先に団体創始者がいた。「おれの目標はアントニオ猪木。おれは橋本と戦ったこともないし会ったこともない。ただ、橋本が発した言葉は知っている。確か『何がアントニオ猪木だ』だった」。本気で対戦を熱望していた。